
凍結温度曲線の計測
テスト使用機(バッチ式CASシステム20枚用)
庫内温度-50℃設定における、各種魚介の凍結温度曲線(中心温度計の使用による素材芯温の測定値)は、実測により下記の通り測定されました。
※なお、このデータは、機器の構成・素材特性・室温等の外的要因により変動するものであるので、異なる環境においての同一性を保証するものではありません。


運転サイクル(凍結時間)の設定
テスト使用機(バッチ式CASシステム20枚用)
各種魚介は、CAS凍結機に投入後、概ね30分程度で-20℃以下の凍結状態に入ることがこのグラフから示されます。
製品の凍結をより確実に行い、素材の安定化を果たすためには、このデータの魚種を凍結する場合、マージン等を加味して1運転60分程度の運転サイクルにて凍結を行う事が好ましいと考えられます。
トレイ寸法と凍結姿について
弊社凍結機で標準規格として採用している凍結パンは、フランス天板となります。
凍結パン(機器付属品)
規格:フランス天板 600mm×400㎜×20mm
棚1枚当たりの収容目安は、凍結品の形にもよりますが、概ね3キロ程度に収める事をお勧めします。
バッチタイプのCAS凍結機は、可変棚受け構造を採用しておりますので、凍結対象物の高さ、大きさ等、用途に応じた自由な棚組みが可能となります。
棚数の追加等希望がありましたら、遠慮なくご相談ください。

可変棚受け構造の採用


フランス天板規格の市販アクセサリがお勧め
画像引用:日仏商事株式会社
左:ポーション形成に最適なフレキシパンシリーズ
右:凍結パンへの焼き付きを防止するシルパッドシリーズ
各製品、CAS凍結時に併用する事で、消耗部材の発生を防ぎ、品質の向上とコストの削減を実現する優れものです。
※モールド製品の詳細につきましては、直接販売会社様にお問合せください。
CAS凍結の作業性を高め、更には利便性高い使い切り形状を容易に生産する事を可能にするアクセサリ類が市販されています。
日仏商事株式会社が販売を行っているフレキシパンやシルパッド等のシリコングラスファイバー製品は、フランス天板規格に準拠するものも多く、高品質で使い勝手が良い商品です。
CAS運転に掛る電気料金について
実際に営業を行っている水産事業者からサンプリングした電力使用量の実測値を解析し、参考までに掲載します。
開発販売元:株式会社アビー
04-7137-9131(代表)

科学を支える高信頼性
食品業界から科学研究領域まで、多数の企業・大学研究機関が、世界中でCAS凍結機の導入を行い、全く新しいビジネスモデルの開発が進んでいます。
素材の凍結過程で顕著化する分離・変性を極限まで防ぐCAS凍結技術は、高い精度が要求される医療分野においても、その成果に期待が高まっています。
精密凍結技術「CAS」

Cells Alive System
CASエンジンを独自に開発
理想の凍結条件を探し求めて

20世紀に発展した急速凍結技術は、食品を腐敗させることなく長期間保存する事を可能にしましたが、凍結過程において成分の分離や変性、水分子の結晶化による組織の破壊に伴い、食味の変化、ドリップ流出、旨味香りの喪失等、解凍再現性は低いままでした。
この様な弊害を少しでも低減するため、食品の組織中にある水分子が”氷”結晶を成長させる前に、素材を少しでも早く凍結状態に至らせようと、庫内温度の超低温化競争が進みました。
しかしながら、世界のどこからも、その抜本的な解決策は示されぬままでした。
今から40年前、生クリームの凍結を是が非でも実現させたかったアビーは、フリージングレイン現象をヒントに、過冷却状態を意図的に操作する技術の開発に着手。
泡を凍らせ、泡に戻すという、一見簡単に思える単純な事を実現させるために費やされた時間と労力は膨大であるなか、冷凍庫内に特殊な磁界を形成することで水分子の結晶化自体を直接的に阻害することが出来る、世界初の凍結技術「Cells Alive System」の開発に成功し、生クリームから食材へ、更には医学・生物学的試料へと、機器の性能を段階的に向上させています。
食材価値が世界的に高まる現代において、鮮度の長期保存には計り知れない価値があると考えるアビーは、美しい地球に生きる歓びをより多くの人々と共有できる様、理想の凍結環境の追及に向けて、更に飽くなき挑戦を続けてまいります。
会社紹介、CASの原理とその開発史
Cells Alive Freezing Technology
Cells Alive Freezing Technology
凍結時氷結晶生成阻害技術
生クリームの凍結からスタートしたアビーは、「膜」を安定して凍結する技術を確立したことにより、同じ膜構造で形成される「食材」や「生体組織」等に対して、その安定凍結に新たなアプローチ方法を提案し、学会発表や事例紹介が活発化しています。
<従来の急速凍結技術>
食材を急激に冷やして固める従来の凍結方法では、被凍結物は周囲から徐々に冷やされることで、これが薄く固まり熱バリア断熱材として働いてしまうことに起因する芯温の低下不良や毛管現象等による水分子の偏在化など、解凍時の物性変化に大きな影響を与えておりました。
<精密凍結CAS技術>
アビーは、急速凍結庫内に特殊な磁界を形成する事により、本来あるべき場所に水分子をとどめた状態にて凍結を果たす、これまでの冷気凍結方法とはアプローチが全く異なる精密凍結技術により、これらの問題を解決に導きます。
生乳やマヨネーズの様な、従来であれば凍結が不可能とされてきた各種食材に対しても、物性を変えることのない、安定した凍結・解凍が実現しました。

Cells Alive Freezing Technology
水分子の制動を実現する精密凍結技術
誘電フリーザー方式に更なる改良と設計変更を重ねる事で、アビーは食材を安定して冷凍状態に導くために必要となる各種条件を最適化。これらを独自の制御基板に集積化することに成功しました。
CASを制御するすべてのノウハウが、この制御盤に収められています。
Cells-Alive Processing Unitにより制御される庫内取付用発信機は、凍結庫内に特殊な交流磁場エネルギー環境を精密に展開することで、凍結時に発生する水分子の結晶化や偏在化を物理的に予防し、本来あるべき姿で食材を凍結状態に安定して導くことを可能にしています。


庫内取付用発信機
Cells Alive Freezing Technology
香りまで閉じ込める完全凍結を実現
CASエンジンにより完全制御された交流磁場空間に包まれて、急速凍結機により凍結状態に至るCAS凍結システムは、その解凍再現性の高さから「細胞が活きている凍結だ」と称賛されますが、電子顕微鏡で組織を比較観察すると、従来の急速凍結機にはない、構造保全性が極めて高い精密凍結技術であることが解ります。

上品な辛みのなかにほのかな甘みと独特の香りを楽しむ生わさびは、CASとの相性も抜群。冷凍のまま摺り下ろすことで鮫肌でおろすよりも更にきめ細かなわさびが作れ、低温保管により通年安定した品質をご利用頂けます。
必要量摺り下ろしたら、残りは直ぐに冷凍庫に保存する事で、ロスも完全に防止できます。

<急速凍結機を用いたわさび組織断片>

<精密凍結CASを用いたわさび組織断片>
Cells Alive Freezing Technology
精密凍結・CASは、医学の世界にも
